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2015.10.28 (Wed)

就活昔話

昔々あるところに、のんふろんというおじいちゃんがおりました。

おじいちゃんは孫に言いました。

「昔わしが大学生の時、こんなことがあったんじゃ。」

おじいちゃんは語りだしました。

おじいちゃんも昔はぴんぴんの大学生でした。

おじいちゃんは大学四年生のとき、就職活動を始めました。

しかし、受けても受けても企業は内定をくれませんでした。

おじいちゃんは就職活動を早い時期に始めてしまったために、周りの学生は「留学でヨーロッパに行き、自分の見聞を深めていました!」と語る男の子、「ここで働き人脈を作り自分のこの夢のために~」と語る女の子ばかり。

おじいちゃんはその意識の高さに中てられノイローゼになってしまいました。

そんな状態で研究室に行くおじいちゃんでしたが、研究室の中で公務員の内定が決まる人がいたりと回りは次々と就職を決めて、ますます鬱病になってしまいました。

そんなおじいちゃんを見かねてか院の先輩が学内選考を勧めてくれました。

学内選考で僕は、T君と出会いました。

学内選考会では、就活生が2人組となっての選考でした。おじいちゃんの2人組になった相手がT君だったのです。

T君は小柄でした。

T君は小太りな体系でした。

T君はお世辞にも清潔とはいえませんでした。

おじいちゃんが笑顔でT君に「よろしく」と言うと、T君は「……」無言で頭を下げました。T君はコミュニケーション能力が高くありませんでした。

T君は特技がありませんでした。

おじいちゃんは思いました。

(今まで就職活動で見てきた人たちはとんでもなく意識の高い人達ばかりで自分はなんてダメな人間なんだと思っていたけれども、下を見ればこんな人もいるのか)

たくさんの企業を、おじいちゃんとT君は2人一緒に回っていきました。

面接官の前で僕は「○○学部△△学科から参りましたノンフロンです!本日はよろしくお願いします!」と精一杯の声で言いました。

T君は僕に続いて「○○学部△△学科から参りました……Tです…本日はよろしくお願いします……」と魂が半分抜けたような声で言いました。

こういった形で、おじいちゃん達は1社1社回っていきました。



ある時ある企業の面接官がT君に質問しました。

「友達や身内からどんな性格と言われますか?」

T君は言いました。

「ぁ……ぅぁ……」

面接官が言いました。

「T君は考えているので、ノンフロン君はどんな性格と言われますか?」

おじいちゃんは

(んなこと普通言われないだろ意味あるのかその質問)

「はい!身内では大人しい性格とは言われますが友達からは~」

とりあえず、あってもないことを適当に話しました。

面接官は言いました。

「ありがとうございました。それではT君ありますか?」

T君はゆっくりゆっくり答えました。

「……僕は……友達から…優しいとよく言われます……」

おじいちゃんは大変失礼と思いながらも、人はこれほどまでに分かりやすい嘘をつけるのかと声や顔に出そうなほど面白がりました。

そうして全ての面接が終わりました。

おじいちゃんや周りの学生達は別室で、回った全ての企業にマルかバツをつけます。行きたいか、行きたくないかを書くのです。

企業の方たちも全ての学生にマルかバツをつけます。今後の選考に進めたい人にマル、進めさせたくない人にバツをつけるのです。

こうしてお互いマルをした企業だけ、次の選考に進むことが出来るという形式でした。

おおよそ学生は4社から7社くらいにマルをつけました。



2日後、両方マルだった企業の紹介と、今後の選考の対策をかねた講義がありました。




T君はその講義にはいませんでした。





自分のマルを書いた企業が全てバツをつけた場合、その講義には出られないのです。



T君の行方は、おじいちゃんには分かりませんでした。

おじいちゃんはこの後、この学内選考を必死に受けていくことになるのでした。



おじいちゃんは孫に語りながら、お腹が痛くなり倒れてしまいました。

めでたしめでたし。
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